学校へひとっ走り「school run」:イギリスの小学校は保護者の送り迎えが必須

英国の暮らし

Hello, Cuppa Time アンジェラです。

この記事でご紹介するのは「school run」です。

もちろん、学校が走るわけではありません^^

「school」も「run」も簡単な単語ですが、英語を勉強したり海外で暮らしていると、単語は簡単なのにまるで意味が分からない言い方やフレーズに出会うことがあります。

ですが、一度わかってしまえば、会社の同僚が何の話をしているのかすぐ理解出来るようになりますので、ご紹介したいと思います。

School runとは?

名詞の「run」

イギリスでは、基本的に小学校の間は保護者が送り迎えをしなくてはいけません。

この送り迎えのことを「school run」と言います。

Oxford Languages

辞書には、「学校へ車で送り迎えすること」と書いてありますが、車でなく徒歩で行く場合も「school run」と言います。

英語の「run」=「走る」は多くの方がご存じだと思いますが、とても便利な言葉なので他にもいろいろな意味があります。

Oxford Languages

動詞でも名詞でも使いますが、「school run」の「run」は名詞です。

実は、名詞の「run」の意味は14個も書いてあったのですが、ここでは主な二つをご紹介します。

一つ目は、みなさんご存じの「ランニング」の「run」。

そして、二つ目が「ひとっ走り」の「run」です。

送りやお迎えには、いつも余裕をもって行ければいいのですが、結局なにかとあわただしく学校へ急ぐので、なるほど「school run」はその名の通り「学校へひとっ走り」という感じです。

登下校の時間

イギリスの公立の小学校の時間割は、一般的に午前9時から午後3時過ぎまでです。

登校時間は、午前8時半から9時くらいの間、下校時間は午後3時から4時くらいの間です。

州によっても違いますが、同じ市町村内でも学校によって違ったりするのがイギリスらしいところです。

私立校の場合は、もう少し一日が長く(代わりに長期休みも長く)なりますが、私立校も「school run」はあります。

何歳まで?

小学校低中学年のうちは、必ず送迎しなくてはいけません

下校時は、先生が生徒の保護者を一人一人確認してから子どもを渡してくれます。

学校に事前に連絡せずにいつもと違う人が迎えに行くと、保護者に電話で確認があったり、あらかじめそういう場合の合い言葉を決めさせている学校もあります。

(子どもの親権が裁判で争われている等というケースもあるため、そのような場合には、さらに保護者確認は厳しいものになります。)

Year4(8-9歳)くらいから、学校のすぐ近くに住んでいる子、上の子と一緒に登校する子などを、子ども達だけで登校させ始める家庭もあります。

Year6(10-11歳)になると、子どもの足で行ける距離に住んでいて、大きな危ない道路を渡るようなことが無ければ、ほとんどの子が子どもだけで登校するようになりますが、このあたりもまた、学校によってルールが違ったりします。

私立校に通っている場合は、学校が家から遠いことが多いため、中学や高校の年齢になっても「school run」が続きます(スクールバスがある場合もあります)。

学校の様子を知るよい機会

毎朝子どもを送り、3時過ぎにはまた迎えに行かなくてはいけない「school run」は、なかなか大変ではありますが、子どものお友達やお友達の保護者に会うので、ちょっとした話ができるよい機会でもあります。

また、何かあれば、迎えに行った時に担任の先生と少しお話をすることも出来ます。

School runに合わせた勤務形態

このように、子どもが小さいうちは必ず「school run」があるため、送り迎えの間の時間でパートタイム勤務をする人も多くいます。

お迎えがあるために終業時間が早い人に仕事のお願いをする時は、時間に気を付けないといけません。ぎりぎりの時間に言われても、ちょっと残って終わらせることは出来ないからです。

最も、お迎えが無くても、イギリス人にとって「今日の就業時間内に終わらなかった仕事は次の日の仕事」になります。

日本では、定時になってもなかなか帰れない職場がまだ多いと思いますが、イギリスでは、「仕事が終わる時間になったら」仕事は終わりです。

残業が全くないわけではありませんが、時間内に終わるよう采配・指導できなかった管理者の方の能力が問われます。

School run 出来ない場合

では、両親ともフルタイムで共働きの家庭は、どうしているでしょうか?

祖父母などに送迎を頼んでいるファミリーもいますが、頼める人がいる家庭ばかりではありません。

そうした場合は、学童クラブチャイルドマインダーに預けることが出来ます(有料)。

Before school club/After school club

登校前や放課後に子どもを預かってくれる学童クラブを「Before school club」「After school club」と言います。

学校に併設しているところもありますし、別の場所で別の組織によって運営されている場合もあります。

別の場所で運営されている場合は、通常そのクラブのスタッフが登下校の送迎もしてくれます。

Child minder

「チャイルドマインダー」はイギリス生まれの保育資格で、チャイルドマインダー(個人)は、自分の自宅で子どもを預かります。子どもの年齢に応じて、一度に預かることの出来る子どもの人数なども決められています。

チャイルドマインダーも「school run」をしてくれる場合が多いですが、一人のチャイルドマインダーが同時に複数の学校には行けないので、子どもが通っている学校の送迎をしてくれるチャイルドマインダーを探すことになります。

School run ラジオメッセージ

イギリスには、クラッシック音楽専門のClassic FMというラジオ局がありますが、毎朝8時15分に「The School Run」というコーナーがあります。

学校へ行く道中、車の中でラジオを聴いているリスナーに向けて、番組に寄せられたいろいろなメッセージが読まれます。

  • ○○ちゃん、登校初日、楽しい日になりますように
  • ○○くん、試験がんばってね
  • ○○学校のみなさん、楽しい連休を!
  • 生徒や親から「○○先生、ありがとう」
  • 先生から「○○クラスのみんな、ありがとう」 等々

クラシック音楽の番組なので、楽器のグレード試験への応援や合格の報告、演奏会への声援などもよく読まれます。

School runによる交通渋滞

送迎をする年齢のお子さんがいらっしゃらない方も、「school run」と全く無関係ではありません。

子どもを降ろしてそのまま出勤したり職場からお迎えに直行するため、送迎を車でする割合は年々増えており、学校周辺では送迎の時間帯に交通渋滞が発生します。

渋滞は、天気の悪い日は特にひどく、天気の悪い日が多いのがイギリスです。

無理な路上駐車のせいでバスや緊急車両が通れなかったり、学校近くの家では、家の前をふさがれて車を出せなかったり、自宅の駐車スペースに勝手に車を停められていたりと、いろいろな問題も起こっています。

学校周辺の路上が縦列駐車で埋まってしまっているので、歩行者から道路も見にくいですし、ドライバーからすると急に子どもが(大人も!)飛び出てきます。

遅れてしまって焦っている保護者が危険な運転をすることもあるので、くれぐれもご注意ください。

Cuppa Timeにお付き合いいただき、ありがとうございました。

みなさま、良い一日を!

See you soon!

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