Hello, Cuppa Timeアンジェラです。
皆さんは、「日英通訳の人」に対してどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか?英語のエキスパート?日本語も英語も流暢?
もちろん、流暢なエキスパートを目指して毎日が勉強です。
ですが、ほとんどの通訳者は、一人のクライアントと常に行動を共にするわけではありません。ですから、専門的な内容はもちろん難しいですし、たとえ専門的でなくても、クライアントがその仕事について培ってきた知識と経験を、通訳者も同じだけ持つことは、実際不可能です。
それでも、出来るだけ最善を目指して通訳していると、通訳者が内容を理解していないのに、話がきちんと通じている場面に遭遇することがあります。
そんなエピソードをお話したいと思いますので、お茶を淹れてひと時お付き合いいただけたら嬉しいです。
設備を早く蹴る?
その日のミーティングは、会議室で行われました。
ある設備について、その設備担当のイギリス人とその設備を良く知る日本人が話をしています。
イギリス人の担当者が、ある個所がスムーズに行かないのだが、いい方法はないだろうか?と聞いたところ、
その設備を良く知る日本人が、
もう少し早く蹴ってみたら?
と提案しました。
通訳の基本は、発言をそのまま訳すことが大前提ですので、まずは訳してみました。
How about kicking a little earlier?
こうした会議室での1対1での会話で比較的時間がある時は、お互い理解が出来ているかを確認する余裕があります。
イギリス人の担当者が考えている様子でしたので、
Did that make sense?
と、聞いてみました。
すると、イギリス人の担当者は、
Do you mean increasing the window?
とのことなので、そのまま
窓?窓口?を広げるということですか?
と、訳しました。すると、日本人の方は、
うん、いいんじゃない
との返事。
通訳っておもしろい
イギリス人の担当者は、「早く蹴る」という提案を受け、「increase the window」することによって問題を解決したそうです。
「早く蹴る」と「increase the window」、どんな翻訳機にかけてもこのように訳されることはないと思いますが、表現が違うだけで、二人の頭の中にある現象は同じだったのだと思います。
その設備のことを知らず、またその設備を置いていない会議室で通訳をしただけの私には全く分からない内容でしたが、困っていたイギリス人にとって必要だった回答が得られたという点で、役割は果たせたのかなと思います。
通訳って、本当に難しくておもしろいですね。
Cuppa timeにお付き合いいただき、ありがとうございました。
みなさま、良い一日を!
See you soon!
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