ゴッホと日本を結ぶのは諸行無常の響き!ロンドンナショナルギャラリーのYouTubeチャンネルで楽しく英語を学ぶ

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Hello, Cuppa Time アンジェラです。

ロンドンで必ず訪れたいところといえば、トラファルガー広場にある「ナショナルギャラリー」は間違いなくTOP3の一つです。

ですが、なかなか行けないという方も多いと思いますので、そんなみなさんにご紹介したいのが、ナショナルギャラリーのYouTubeチャンネルです。

個々のアート作品をより深く知ることができると同時に、楽しく英語を学ぶことができるので、英語の勉強をしたい方にもおすすめです。

秀逸な動画がたくさんそろっていますが、この記事では、なぜ日本人はゴッホが好きなのかがおもしろく解説されている「ひまわり」を選んでみました。

実は私の祖父は、今でいうイラストレーターだったのですが、残念ながらそのDNAは受け継がれず、絵やデザインのセンスはまるで無いので、アートといっても全く難しい話ではありません

また、キュレーターのColin Wiggins氏の英語は分かりやすく、ユーモアがあって、日本に関するエピソードも盛りだくさんなので、とても親しみやすい一本になっています。

ゴッホ「ひまわり」

英語読み

ひまわり」を描いたのは「Vincent van Gogh」です。

カタカナでは「フィンセント・ファン・ゴッホ」と表記するようですが、英語ではアルファベットをそのまま英語読みすることが多いので、「ヴィンセント・ヴァン・ゴッ(フ)」になります。

同じように、弟の「Theo」はカタカナでは「テオ」ですが、英語ではthの発音なので「セオ」に近い感じです。

そして、すでに動画をご覧になった方はお気づきのように、動画内ではそれぞれ「ヴィンセント」・「セオ」というようにファーストネームで呼んでいます。

ゴッホは日本好き

講演者のColin Wiggins氏は、動画の早い段階でゴッホの日本好きについても触れています。

He loves Japanese art. (7:21)

ゴッホについて語る中で、日本のアートがヨーロッパでどのように受け取られたのかや日本のアートが与えた影響、そしてゴッホが日本のアートに魅せられていたことについて、時間を割いて語っています。

ひまわりは枯れている

コリンさんは、数年かけて「ひまわり」の絵を研究する中で、花の多くが枯れていることに気づいたそうです。

Most of sunflowers here are dead.(15:01)

ひまわりのほとんどは枯れています

「ひまわり」という題の絵ですから、今まであまり考えずに「ひまわりの花」の絵だと思っていましたし、とても明るい黄色なので気づきませんでした。

言われてみればたしかに、正面を向いている花々に花びらはなく、花々は枯れたり枯れかけている状態になっています。

オランダ人と花

ここでコリンさんは、オランダ人と花の関係について解説してくれます。

ゴッホはオランダ人ですが、オランダといえば?

オランダといえば、やはり「チューリップ」ですよね。

ある時は、チューリップの球根一個が家二軒分の値段で取引されるようなチューリップバブルまであったそうですが、特に17世紀のオランダでは、「花」そのものはもちろん「花を題材にした絵画」が大人気でした。

では、なぜ花がそんなに人気だったのかというと、

Those beautiful flower pieces are painted in a profoundly Christian Protestant culture. (18:04)

と説明されています。

つまり、万物は死を逃れられないという、キリスト教プロテスタントの宗教観を反映しているのだそうです。

諸行無常

花が美しく咲いては枯れて無くなるように、我々人間も繫栄開花してまた死に至るという「メメントモリ」につながる思想です。

メメント・モリ(羅: memento mori)は、ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘るな」「死を忘ることなかれ」という意味の警句。芸術作品のモチーフとして広く使われる。

ja.wikipedia.org

コリンさんは、ゴッホはその17世紀の伝統を意識して描いたのではないと思うが、オランダ人として無意識に継承していたのではないかと話しています。

栄華を極めた人もいつかは滅びる、まさに諸行無常の響き、盛者必衰の理につながるところがあるとすると、私たちにもとても馴染み深い考え方です。

だからゴッホは日本が好きだったし、日本人もまたゴッホが好きなのかもしれません。

滅びと未来

ところで、動画では、ここでコリンさんのユーモアが満開になります。

But hold on, (19:28)

この「But, hold on」は「でも、ちょっと待ってください」という場面でよく使う言い方です。

そして、

I can see you’re all looking as if you’re thinking about your own mortality now.

みなさん、ご自身の死について思いをはせているご様子ですが、

と笑いを取り、

There’s no need, because inside the seed heads,

その必要はありません、なぜなら、頭の種が出来る内部に、

さらにオチをつけて、

I’ve given it away now, haven’t I? there are the seeds.

今、自分でばらしてしまいましたね?種が入っています。

と、ほんとうに英国らしいユーモアが満載です。

ひまわりの花が枯れているのは、生けるものは滅びるということを強調するものですが、滅びゆく一方、だからこそ、種すなわち次の世代がもうすぐそこにあって「circle of life生命の環)」に繋がっていくのだそうです。

日本人とゴッホ

動画の最後で、コリンさんは、もう一度日本について触れ、

  • 7枚のひまわりの絵のうちの一枚が日本にあること
  • 「ひまわり」を見に来る日本人がいない日は無いこと
  • 地球を半周しておそらく一生に一度であろう英国旅行で見に来るのが「ひまわり」
  • 日本人はまず最初に「ひまわり」を見に来る
  • ナショナルギャラリーに来て「ひまわり」を見ずに帰国するのはあり得ない

ということに感動するし、もしゴッホがこのことを知ったら、きっと心打たれてとても喜ぶだろうと言ってくれています。

そして、ゴッホの絵にまつわる日本からの学生とのエピソードを披露して講演を終えています。

難しい単語も多いかもしれませんが、雰囲気やブリティッシュ英語に慣れるだけでもいいですし、英語字幕でじっくり見たり、わかりにくいところを調べたりすると英語の理解もより深まると思います。

Cuppa Timeにお付き合いいただき、ありがとうございました。

みなさま、良い一日を!

See you soon!

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