Hello, Cuppa Timeアンジェラです。
通訳の仕事をしていると、正確に訳すのは大前提なのですが、言葉選びや表現の仕方が本当に難しく、そしてまたおもしろいところでもあります。
ご紹介したい場面はいろいろあるのですが、今日も勉強になった出来事がありましたので、ひと時お付き合いください。
絵と写真
本日のミーティング中の出来事
ある機械に関して、操作トレーニングの簡単な資料を作成することになりました。
そこで、日本の技術者が、
絵の方がわかりやすい場合と写真の方がわかりやすい場合があるので、それも検討してください。
と発言しました。
さて、この場合の「絵」と「写真」、みなさんだったら、どう訳しますか?
辞書的に訳すと、おそらく
「pictures」and「photos」
ではないでしょうか。
グーグル翻訳で確認してみると、やはり「pictures」and「photos」になっています。
ですが、「picture」は「絵」だけを表す単語ではありません。
写真のことも「picture」といいます。
先ほどのグーグル翻訳に「picture」を入力すると、下の方に「画像」や「絵」と言った訳も出てきますが、トップの訳は「絵」ではなく「写真」になっています。
絵と写真 最適な訳は?
そこで、「pictures」と「photos」と訳すのではなく、写真と区別させるために、「絵」を「drawings」にしてみました。
Sometimes it is easier to understand with drawings or easier to understand with photos, so please consider that too.
「drawings」と「photos」で、きちんと伝わったでしょうか?
正解は?
それを聞いたイギリス人の担当者は、
Sure, we can use the CAD data.
(わかった、CADデータが使える)
と答えていました。
この機械には、わかりやすい「絵」として使える「CADデータ」があったようです。
通訳っておもしろい
「絵」という単語に対して「picture」「sketch」「drawing」などいくつか候補が浮かびますが、通訳中には確認する時間も熟考する時間もないので、一瞬で選択します。今回は写真と区別するために「drawing」を選んでみました。
機械の技術者は「絵」と言いながら頭の中では「CAD data」をイメージしていたかもしれませんが、その機械のことを知らない私には「絵」=「CAD data」という発想はありませんでした。
話は通じ、それぞれ「CAD data」や「写真」の入った資料が作成されていますので、通訳としての役割は果たせたのだと思います。このように、手探りで通訳しながら、私の理解を超えたところで話が通じている場面に遭遇すると、通訳の難しさとおもしろさを実感せずにはいられません。
Cuppa timeにお付き合いいただき、ありがとうございました。
See you soon!
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